結論
人気物件はレインズ・ATBBなどの業者間流通サイトで募集が始まった直後から仲介会社がお客様へ紹介するため、SUUMOなどの一般ポータルサイトに掲載される前、または掲載直後に申込が入ることが少なくありません。加えて、ポータルサイトの掲載情報には更新のタイムラグがあり、掲載中でも実際は成約済みという場合があります(SUUMO自身もその旨を案内しています)。ただし、ポータル掲載物件がすべて「残り物」というわけではありません。条件の良い物件を逃さないためには、自分でポータルサイトを毎日チェックするだけでなく、不動産会社に希望条件を伝えて新着情報を紹介してもらう方法を併用するのが有効です。
「掲載されているのに、もう決まっている」はなぜ起きるのか
「SUUMOで見つけた物件に問い合わせたら、もう決まっていると言われた」「気になる部屋がいつの間にか消えている」——東京都内のお部屋探しでは、こうした経験をされる方が本当に多くいらっしゃいます。何度か続くと、「いい物件は自分には回ってこないのでは」と感じてしまうかもしれません。
しかしこれは、不動産会社が意地悪をしているわけでも、あなたの探し方が悪いわけでもありません。賃貸物件の情報が流通する仕組みそのものに理由があります。この記事では、宅地建物取引業者であるイエリーが、なぜ人気物件が一般サイトに載る前後で決まってしまうのか、そして選択肢を広げるための探し方を解説します。
理由①:ポータルサイトの掲載情報には更新のタイムラグがある
SUUMO・アットホーム・HOME'Sなどのポータルサイトは、多くの方がお部屋探しで利用されている便利なサービスです。ただし、掲載情報は常にリアルタイムで更新されているわけではありません。申込が入ってから掲載が取り下げられるまでには、どうしても時間差が生じます。
実際にSUUMOでも、掲載情報には更新のタイムラグがあり、掲載中でも成約済みとなっている場合があることが案内されています。つまり「掲載中=募集中」とは限らないのです。気になる物件を見つけたら、まず募集状況を確認するところから始めるのが確実です。
理由②:人気物件は「業者間サイト」に出た直後から紹介されている
もう一つの、そしてより本質的な理由がこちらです。賃貸物件の募集情報は、まずレインズ(REINS)やATBBといった宅地建物取引業者だけが利用できる共通データベースに登録されます。仲介会社は、この業者間サイトに新着が出た時点で、条件の合うお客様に物件を紹介します。
そのため、条件の良い人気物件は、一般のポータルサイトに掲載される前、あるいは掲載された直後にお申し込みが入ってしまうケースが少なくありません。ポータルサイトを毎日チェックしている方であっても、そもそも情報が世に出る順番として一歩遅れている、という構図になります。
- ① 貸主・管理会社が募集を開始し、レインズ・ATBBなどの業者間サイトに登録される
- ② 各仲介会社が、条件の合うお客様へ紹介する(この段階で申込が入ることが多い)
- ③ 一般のポータルサイト(SUUMO・アットホームなど)へ掲載される
- ④ ポータルを見た方から問い合わせが入る
レインズ・ATBBは業者だけが使えるデータベースのため、一般の方が直接見ることはできません。裏を返せば、この段階の情報を受け取る方法は「不動産会社に希望条件を伝えておくこと」しかない、ということでもあります。
ただし「ポータル掲載=残り物」ではありません
ここで誤解していただきたくないのは、ポータルサイトに掲載されている物件がすべて「売れ残り」だというわけではない、ということです。掲載されたばかりの新着物件も数多くありますし、条件の良い部屋が普通に見つかることもあります。ポータルサイトは、いまでもお部屋探しの主力の手段です。
一方で、業者間で一定期間募集しても入居者が決まらず、より広く募集をかけるためにポータルサイトへ掲載される、というケースが一定数あるのも事実です。整理すると、「ポータルに載っている物件が悪い」のではなく、「ポータルだけを見ていると、早い段階の情報を取りこぼす可能性がある」ということになります。
だから「自分で探す」+「紹介してもらう」の併用が強い
では、どうすればいいのか。答えはシンプルで、どちらか一方に絞るのではなく、両方を使うことです。
- 自分でポータルサイトを見る — 相場感が身につき、自分の希望条件が具体的になる。気になる物件を能動的に見つけられる。
- 不動産会社に条件を伝えておく — 業者間サイトに出た段階の新着情報を受け取れる。ポータル掲載を待たずに動ける。
ポータルサイトで探すこと自体は、むしろ続けたほうがいいのです。毎日見ていれば相場感が磨かれ、「この条件でこの家賃なら即決すべき」という判断軸が自然と身につきます。そのうえで、不動産会社にも希望条件を伝えておけば、情報が届くタイミングが早くなり、選択肢が広がります。
→自分で物件を探して賃貸を安く契約する方法|SUUMOで見つけた部屋もOK紹介してもらうときは「条件の伝え方」で差がつく
不動産会社に新着を紹介してもらう場合、条件があいまいだと、紹介の精度が落ちてしまいます。「安くて駅近でいい部屋」だけでは、担当者も何を優先すればいいのか判断できません。次の項目を、できるだけ具体的に伝えておきましょう。
- エリア(沿線・駅名・勤務先や学校までの許容時間)
- 家賃の上限(管理費込みかどうかも明確に)
- 間取り・広さの希望
- 入居希望時期(いつから住みたいか)
- 絶対に譲れない条件を2〜3個(例:バス・トイレ別、2階以上、ペット可 など)
- 逆に妥協できる条件(築年数、駅からの距離 など)
とくに大切なのが、最後の2つです。「譲れない条件」と「妥協できる条件」を切り分けて伝えられると、担当者は自信を持って物件を絞り込めます。条件の優先順位の付け方は、次の記事でも詳しく解説しています。
→東京の家賃はなぜ上がっている?「3年前の相場感」では部屋が見つからない理由と条件見直しのコツを宅建業者が解説情報を早く受け取れても、動けなければ意味がない
早い段階で新着情報を受け取れるようになっても、そこから決断に何日もかかってしまえば、結局は他の方に先を越されてしまいます。多くの賃貸物件は先着順で、入居申込が入った順に審査・契約へ進むためです。
紹介を受ける準備と合わせて、「すぐ動ける準備」も整えておきましょう。家賃・初期費用の上限を決めておくこと、本人確認書類や収入資料をあらかじめ手元にそろえておくこと。この2つがあるだけで、良い物件に出会ったときの動き出しがまったく変わります。
→賃貸の人気物件は申込スピードが命|数分差で一番手を逃さない「即決」のコツを宅建業者が解説内見の予定が組めないうちに決まってしまいそうな物件では、内見前に申込を入れて優先順位を確保する「申込先行」という進め方もあります。
→都内の賃貸は内見前に申し込むのが主流に?「申込先行」が増える理由と注意点を宅建業者が解説「探してもらう=仲介手数料1ヶ月分」ではありません
「不動産会社に探してもらうと、そのぶん仲介手数料が高くなるのでは」と心配される方もいらっしゃいます。たしかに仲介手数料の相場は賃料1ヶ月分+消費税ですが、これは法律上の上限であって、必ず支払わなければならない金額ではありません。実際の金額は会社によって異なります。
つまり、「いい物件を紹介してもらうこと」と「仲介手数料を抑えること」は、必ずしも二者択一ではないのです。手数料の相場や内訳は、次の記事で詳しく解説しています。
→東京23区の賃貸仲介手数料の相場はいくら?安く抑えるポイント注意:同じ物件を複数社に問い合わせるのは避けましょう
複数の不動産会社に相談すること自体は問題ありません。ただし、同じ物件を何社にも同時に問い合わせるのは避けてください。すでに他社へ問い合わせ・内見・申込をした物件を、後から別の会社に切り替えて契約するのはマナー違反とされています。手数料の安い会社で契約したいのであれば、最初の問い合わせの時点でその会社に相談するのが確実です。
まとめ
- 人気物件は業者間サイト(レインズ・ATBB)に出た直後から紹介されるため、ポータル掲載前後で決まることがある
- ポータルサイトの掲載情報には更新のタイムラグがあり、掲載中でも成約済みの場合がある
- ただし「ポータル掲載=残り物」ではない。新着の良い物件も多い
- 自分でポータルを見る力は相場感につながるので、やめる必要はない
- そのうえで不動産会社に希望条件を伝え、新着紹介を併用すると選択肢が広がる
- 情報が早く届いても動けなければ同じ。予算と必要書類は先に準備しておく
イエリーなら、どちらの探し方にも対応できます
イエリーは東京23区専門の賃貸仲介サービスです。ご自身でポータルサイトから見つけた物件は、URLをLINEで送っていただければ募集状況・紹介可否・初期費用のお見積りをすぐにご案内します。この場合の仲介手数料は、広告料のある物件なら0円、なくても賃料0.3ヶ月分(税別)です。
「探すのが苦手」「新着を紹介してほしい」という方には、ご希望の条件をお伺いして、業者間サイトの新着物件をお探しする「おまかせサポート」もご用意しています(仲介手数料は賃料0.5ヶ月分・税別)。相場の1ヶ月分と比べれば、探してもらう場合でも半額です。もちろん、普段はご自身で探しつつ、新着の紹介も受ける——という併用も歓迎です。まずはお気軽にLINEでご相談ください。