イエリー
#お役立ち情報2026/6/14

賃貸の敷金は返ってくる?原状回復はどこまで借主負担かを宅建業者が解説

監修:イエリー編集部(宅地建物取引士)

結論

賃貸の敷金は、未払い家賃や借主の故意・過失による原状回復費用を差し引いた残額が、退去後に返還されます。日焼けや家具設置跡などの経年劣化・通常損耗は原則として貸主負担で、借主が負担したり敷金から差し引かれたりするものではありません。

敷金とは?退去時に返ってくるお金

敷金は、家賃の滞納や、退去時の原状回復費用などに備えて、入居時に貸主へ預けておく担保金です。あくまで「預け金」なので、退去のときに未払い家賃や借主負担分の修繕費を差し引いた残額が返還されます。「敷金は戻ってこないもの」と思われがちですが、本来は条件を満たせばきちんと返ってくるお金です。

「敷金が返ってこない」の多くは原状回復の認識のズレ

敷金をめぐるトラブルの大半は、「原状回復をどこまで借主が負担するか」の認識が貸主・借主でズレていることから起きます。ここを正しく理解しておけば、不当な差し引きや過大な請求を防ぎやすくなります。

原状回復は「入居時の状態に戻すこと」ではない

原状回復とは、借主の故意・過失や善管注意義務違反(通常の手入れを怠ったことなど)によって生じた損耗を元に戻すことを指します。普通に生活していて自然に生じる傷みまで、入居時のピカピカの状態に戻す義務はありません。これは民法621条で明文化されており、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも詳しく整理されています。

つまり、時間の経過で自然に劣化する「経年劣化」や、普通に住んでいれば生じる「通常損耗」の修繕費は、家賃に含まれているという考え方が基本です。これらを敷金から差し引くことは、原則としてできません。

借主が負担するケース・しないケース

国土交通省のガイドラインを踏まえると、負担の区分はおおむね次のように整理できます。

【借主が負担しやすいもの(故意・過失・手入れ不足)】

  • タバコのヤニによる壁紙の変色・臭い
  • ペットによる柱や壁の傷・臭い
  • 結露を放置して発生させたカビやシミ
  • 引っ越し作業や家具の移動でつけた目立つ傷・へこみ
  • 掃除を怠ったことによる台所の頑固な油汚れ・水回りのカビ
  • 壁に開けたネジ穴・大きな釘穴(下地ボードの張り替えが必要なもの)

【貸主が負担するもの(通常損耗・経年劣化)】

  • 日照などによる畳・フローリング・クロスの自然な変色
  • 家具の設置による床やカーペットのへこみ・設置跡
  • テレビや冷蔵庫の裏の電気やけ(黒ずみ)
  • ポスターやカレンダーを貼るための画鋲・ピン程度の穴
  • 設備や建具の自然な経年劣化・寿命による故障

ハウスクリーニング・鍵交換費用の扱い

退去時のハウスクリーニング費用は、契約に「借主負担」という特約があれば敷金から差し引かれることがあります。ただし、金額が間取りごとの相場とかけ離れて高い場合や、通常の清掃で足りる範囲まで上乗せされている場合は、内訳を確認して交渉できる余地があります。費用の相場感は次の記事も参考にしてください。

賃貸の鍵交換費用・クリーニング費用とは?相場と注意点

敷金が返ってくる時期と精算の流れ

敷金は、退去・明け渡しの後に精算され、未払い家賃や借主負担分の原状回復費用を差し引いた残額が返還されます。返還の時期は契約によって異なりますが、退去後おおむね1〜2ヶ月以内に、精算明細とあわせて返還されるのが一般的です。退去立会い(部屋の状態の確認)に同席し、気になる箇所はその場で確認しておくとスムーズです。

敷金トラブルを防ぐチェックポイント

  • 入居時に部屋の状態を写真・動画で記録しておく(もともとの傷との区別がつく)
  • 契約書の「敷金」「原状回復」の条項と特約の内容を確認する
  • 退去立会いに同席し、指摘された箇所をその場で確認する
  • 精算明細の内訳(項目・金額)を必ず書面でもらう
  • 経年劣化・通常損耗分が借主負担に含まれていないか照合する
  • 納得できない請求は国土交通省ガイドラインを根拠に交渉する

不当な請求をされたときの相談先

明細を確認しても納得できない請求がある場合は、まず管理会社・貸主に根拠を尋ねましょう。それでも解決しないときは、消費生活センター(消費者ホットライン「188」)や、宅地建物取引業者・専門家に相談する方法があります。一人で抱え込まず、客観的な基準(ガイドライン)をもとに冷静に話を進めるのがポイントです。

次のお部屋は、初期費用と仲介手数料を抑えて

敷金や原状回復の見通しが立ったら、次は新居探しです。引っ越しは初期費用がかさみますが、仲介手数料の抑え方を知っておくだけで負担を大きく減らせます。退去のスケジュールとあわせて、次の記事も参考にしてください。

賃貸の退去予告「2ヶ月前」は違法?交渉・短縮の可否と注意点賃貸の初期費用の内訳と相場|安く抑える方法も解説自分で物件を探して賃貸を安く契約する方法|SUUMOで見つけた部屋もOK

イエリーなら、自分で見つけた物件のURLをLINEで送るだけで、仲介手数料0円〜0.3ヶ月分(税別)でご契約いただけます。敷金や初期費用に不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q.敷金は全額返ってきますか?

未払い家賃や、借主の故意・過失による原状回復費用がなければ、預けた敷金は全額返還されます。経年劣化や通常の使用による傷み(通常損耗)の修繕費は、本来は貸主負担であり、敷金から差し引くことはできません。

Q.原状回復は借主がどこまで負担しますか?

借主が負担するのは、故意・過失や善管注意義務違反(手入れを怠ったことなど)で生じた損耗の修繕費に限られます。日焼けによるクロスの変色、家具設置によるへこみ、画鋲程度の穴などの通常損耗・経年劣化は、国土交通省のガイドラインや民法621条により貸主負担とされています。

Q.ハウスクリーニング代は敷金から引かれますか?

契約に「退去時のハウスクリーニングは借主負担」という特約があれば差し引かれることがあります。ただし金額が相場とかけ離れて高い場合や、通常清掃で足りる範囲まで請求されている場合は、内訳を確認したうえで交渉できる余地があります。

Q.敷金はいつ返ってきますか?

契約によって異なりますが、退去・明け渡しの後おおむね1〜2ヶ月以内に、精算明細とともに返還されるのが一般的です。返還時期は賃貸借契約書に記載されていることが多いので、退去前に確認しておくと安心です。

Q.敷金から不当に高い請求をされたらどうすればいいですか?

まず精算明細の内訳を確認し、経年劣化・通常損耗まで借主負担にされていないかを照合します。納得できない場合は国土交通省のガイドラインを根拠に管理会社へ交渉でき、解決が難しいときは消費生活センター(消費者ホットライン188)や専門家に相談できます。

仲介手数料 0円 〜 0.3ヶ月(税別)

イエリーでお部屋を探しませんか?

自分でお部屋を探せば仲介手数料はぐっとお得に。まずはLINEで気軽にご相談ください。