結論
賃貸の退去予告(解約予告)は、契約で定められた期限までに行う必要があり、退去日の1〜2ヶ月前までとされているのが一般的です。「2ヶ月前まで」とする契約条項は、ただちに違法・無効ではありません。借主からの解約予告期間を1〜2ヶ月前と特約で定めるのが広く一般的だからです。期限を過ぎてしまった場合は、気づいた時点ですぐ管理会社・貸主に連絡するのが鉄則です。
賃貸の退去予告は何ヶ月前までに必要?【早見表】
賃貸物件を退去する際は、貸主や管理会社に対して「解約予告(退去通知)」を行う必要があります。何ヶ月前までに連絡すべきかは契約によって異なりますが、目安は次のとおりです。
- 「1ヶ月前予告」の契約 → 退去日の1ヶ月前までに通知(単身向け物件に多い)
- 「2ヶ月前予告」の契約 → 退去日の2ヶ月前までに通知(ファミリー向け・分譲賃貸などに多い)
- 「3ヶ月前予告」の契約 → まれ。高級物件や事務所利用などで見られる
- 契約書に記載が見当たらない場合 → まず管理会社に確認。期間の定めのない契約では、民法上は3ヶ月前の申し入れが原則
自分の契約がどれに当たるかは、賃貸借契約書の「解約」「中途解約」に関する条項に書かれています。特に「2ヶ月前まで」と定められている契約は珍しくありません。新居の契約や引っ越しのスケジュールを立てる前に、まずは契約書を確認しましょう。
「2ヶ月前まで」は違法ではない?
結論から言うと、「退去(解約)の予告は2ヶ月前まで」という契約条項そのものが、ただちに違法・無効になるわけではありません。建物の賃貸借では、借主からの解約予告期間を契約(特約)で定めることが一般的に認められており、1〜2ヶ月前とする契約は広く使われています。
ただし、予告期間が著しく長いなど、借主に一方的に不利だと判断されるようなケースでは、消費者契約法などを根拠に効力が争われる余地もあります。「2ヶ月前は長すぎて納得できない」と感じる場合は、まず契約書の文言を確認したうえで、管理会社や専門家に相談するのが安全です。
退去予告期間は交渉・短縮できる?
退去予告期間は契約で定められているため、原則としてその期間に従うことになります。一方で、次の入居者が早く決まった場合などは、貸主・管理会社との相談によって、予告期間が実質的に短縮されたり、家賃の負担が軽くなったりすることもあります。
交渉する場合は、できるだけ早い段階で、退去の意思とあわせて相談するのがポイントです。すでに予告期限を過ぎてから動くと、後述の「二重家賃」が発生しやすくなるため注意しましょう。
予告期限(2ヶ月前)を過ぎてしまったら?
「気づいたら解約予告の期限を過ぎていた」という場合も、放置せず、気づいた時点ですぐ管理会社・貸主に連絡してください。通知が遅れるほど、その分だけ家賃の支払い義務が終わる日も後ろにずれていくのが原則だからです。
連絡の際は、①新居の入居日(賃料発生日)を後ろ倒しにできないか、②次の入居者が早く決まった場合に家賃負担を軽くしてもらえないか、の2点をあわせて相談してみましょう。予告期間分の家賃支払いが原則とはいえ、実務上は相談に応じてもらえるケースもあります。遅れた場合の負担の目安は「期限を過ぎた日数分の家賃」です。
実際に何日分の家賃が追加で発生するのかの計算方法、負担を減らすために交渉できること、通知を記録に残す方法は、次の記事で詳しく解説しています。
→賃貸の解約予告が期限を過ぎたらどうなる?1ヶ月前・2ヶ月前に間に合わなかった場合の家賃と対処法を宅建業者が解説通知が遅れると“二重家賃”が発生する
退去予告が遅れると、実際にはもう住んでいなくても、予告期間分の家賃を支払わなければならないことがあります。たとえば2ヶ月前通知の契約で、退去の3週間前に通知した場合、差額となる約1ヶ月分の家賃が新居の家賃と二重にかかる可能性があります。退去月の家賃が日割りになるか満額になるかも、契約によって異なるため確認しておきましょう。
退去予告のチェックポイント
- 契約書で解約予告期間(1ヶ月前/2ヶ月前など)を確認する
- 通知方法(電話・書面・専用フォームなど)と提出先を確認する
- 通知日が記録に残る方法(書面・メール・フォーム)で連絡する
- 新居の入居日と旧居の退去日が重なる「二重家賃」の期間を最小限にする
- 退去月の家賃が日割りか満額かを確認する
退去時は敷金の精算も確認を
退去時には、預けていた敷金から原状回復費用などが差し引かれて精算されます。入居時に撮っておいた写真・動画があると、もともとあった傷との区別がつき、不当な請求を防ぎやすくなります。経年劣化や通常損耗の負担範囲については、次の記事で詳しく解説しています。
→賃貸の敷金は返ってくる?原状回復はどこまで借主負担かを宅建業者が解説次のお部屋探しは、仲介手数料を抑えて
退去のスケジュールが見えてきたら、次は新居探しです。なお、いま気になる物件に前の入居者が住んでいても、「先行申込」で内見前に申し込める場合があります。退去予告と新居探しのタイミング調整には、次の記事が参考になります。
→都内の賃貸は内見前に申し込むのが主流に?「申込先行」が増える理由と注意点を宅建業者が解説また、引っ越しは初期費用がかさみますが、仲介手数料の抑え方を知っておくだけで、数万円〜十数万円単位で負担を減らせます。あわせて次の記事も参考にしてください。
→自分で物件を探して賃貸を安く契約する方法|SUUMOで見つけた部屋もOK→東京23区の賃貸仲介手数料の相場はいくら?安く抑えるポイント→賃貸の初期費用の内訳と相場|安く抑える方法も解説→賃貸の仲介手数料無料・0円のからくりとは?怪しい仕組みを宅建業者が解説イエリーなら、自分で見つけた物件のURLをLINEで送るだけで、仲介手数料0円〜0.3ヶ月分(税別)でご契約いただけます。退去予告のタイミングとあわせて、まずはお気軽にご相談ください。